これからLINE広告を配信したいと考えているものの、自社で運用するには不安だと感じている広告担当者は多いのではないでしょうか。
今回はLINE広告初心者に向けて「LINE広告とは何か」「どのような人に向いているのか」「効果的な運用方法について」解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
LINE広告の基礎知識
他媒体と比較してLINE広告ならではの特徴も紹介します。
LINE広告とは、LINE内のさまざまな画面に配信できる広告です。LINEユーザー数は約8,900万人で、国内SNS利用者の84.6%と圧倒的なシェアを誇ります。また、ユーザー数や利用者の年齢層も偏りが少ないため、幅広い層への広告配信が実現可能です。
他の広告手段と比較した際のLINE広告の3つの特徴
他媒体の広告と比較した場合の、LINE広告の特徴を紹介します。配信面・ターゲティング・掲載費用の3つに分けて見ていきましょう。
1.配信面の特徴
LINE広告の配信面は以下の11種類です。他媒体と比較してもかなりの多さとなります。他のSNS広告でも対応しているトークリストやタイムラインへの広告配信だけではなく、提携しているアプリなどにも出稿できるのも特徴です。
さらに、LINEの提携アプリも非常に多くのユーザー数を保有しています。また、SNSはLINEのみを利用しているユーザーも多く、LINEのみでアプローチ可能なユーザーが多数存在しているのもポイントです。
2.ターゲティングの特徴
LINE広告のターゲティングは以下のとおりです。ターゲティングも他媒体と比較して豊富に揃っています。LINEファミリーという多数のユーザーの登録情報やスタンプの購入履歴などを基に分類した、デモグラフィックデータが利用可能です。
また、サイトやアプリ内におけるユーザーの行動などや、それに類似したオーディエンスを利用したターゲティングを使用できます。
3.掲載費用用面の特徴
LINE広告の課金方式は、他のSNS広告に比べてシンプルです。クリック課金はクリックされない限り課金とならないため、無駄な費用を抑える効果があります。動画広告はインプレッション課金方式ですが、こちらは1,000回表示されれば課金されます。
LINE広告はこんな方におすすめ!
LINE広告をおすすめできる方のタイプを3つ紹介します。これからLINE広告の配信を考えている担当者はぜひ確認してください。
☑️ 1.商品の売り上げをアップしたい
LINE 広告は、ショッピング・クーポン・チラシなど、購買意欲が高いユーザーが集まる場所に広告を配信できます。そのため、商品の購入促進とも相性が良く効率的なアピールが可能です。
特に、ショッピング系は女性の利用者が多いため、化粧品や健康食品の販売などと相性がよいのでおすすめです。
☑️ 2.サービスやブランドの知名度をあげたい
国内最大級のユーザー数を誇るLINE広告は、ユーザー数の多さによるリーチ力が魅力です。またユーザーの男女比や年齢層も一定の層が厚いということもなく、幅広い人にアプローチができます。
サービスやブランドをより多くの人に知ってもらいたい場合は、LINE広告の利用がおすすめです。
☑️ 3.アプリのダウンロードを促したい
LINE広告は、スマホアプリのユーザーに向けて、アプリのインストールや休眠からの復活を促せます。そのため、アプリのダウンロードやアクティブ率の向上などを効果的に行えるところもメリットです。
さらに、性別・年齢・職業などあらゆる層を満遍なくカバーしているため、さまざまなアプリとマッチします。ゲームやニュースアプリをはじめ、各ユーザー層のニーズに合ったカテゴリのPRに向いています。
LINE広告の運用方法の種類とメリットデメリット
LINE広告の運用をどこが担当するかは、2つのタイプに分けられます。ここでは、自社内で運用する場合と専門の代理店に委託する場合のメリットとデメリットを解説します。
自社でLINE広告を運用する
社内でLINE広告を運用する場合は、広告運用に関わるすべての業務を自社の社員で行います。自社の規模によって異なりますが、広告運用チームを結成し、数名で作業を分担して行うケースが多くなるでしょう。
一度広告を配信した後も、PDCSサイクルを回しながら改善施策を打ち出して、広告をアップグレードし続けていく必要があります。
②運用代行の手数料が不要
③社内に運用ノウハウを蓄積できる
☑️ 広告を少額で運用できる
自社運用では、少額の広告費で運用が可能です。代理店に依頼する場合は最低広告費が設定されているケースが多いため、限られた予算内での運用が難しい場合があります。
自社で運用する場合は、縛りもなく予算に合わせて自由に金額を設定できます。本格運用の前に様子を見ながら試してみたいといったケースにも向いています。
☑️ 運用代行の手数料が不要
代理店に運用代行を依頼する場合、必ず手数料が発生します。代理店によってはさらに費用が必要になる可能性もあります。自社で運用する場合は、これらの費用は一切かかりません。
予算の削減を重視している場合は、自社で運用をまかなうことで必要最低限のコストで広告を運用できます。
☑️社内に運用ノウハウが蓄積できる
LINE広告の運用には、運用経験で培ったスキルとノウハウが必要です。費用対効果が高い広告を配信するためにも、広告運用の実体験を通じて学ぶことが大切です。
自社で運用すると、これらのノウハウが社内に財産として蓄積されます。蓄積されたノウハウとスキルアップした社員により、新たな人材への教育を行うことも可能になります。
②スキルの取得やリサーチに手間取る
③社内のリソースに負担がかかる
☑️広告の成果があがりにくい
LINE広告の運用経験がない社員のみで運用した場合、広告の成果が上がらない可能性があります。LINE広告の成果は、担当者の運用方法や技術に影響されるため、効果がない広告を無駄に配信し続けるリスクも考えられます。
また、効果検証や分析手法が良く分からない場合も、的確な改善施策を策定できないため成果が期待しにくくなります。
☑️ スキルの取得やリサーチに手間取る
LINE広告は、情報のアップデートが早く常に最新情報をキャッチして柔軟に対応する姿勢が必要です。しかし自社運用の場合、効率よく情報を集める手段が分かりにくいため、どうしたらよいか迷ってしまう場合があります。
運用方法のスキルアップを図るための勉強やリサーチにも時間がかかれば、運用スピードも遅くなります。担当者のPCスキルによって個人差が出やすい点もデメリットだといえます。
☑️ 社内リソースに負担がかかる
会社の規模にもよりますが、リソースによってはLINE広告の専任担当者を置けない場合があります。兼務で業務を行うと、スピーディーな対応が必要なLINE広告の運用はかなりの負担になる可能性があります。
日々のモニタリングや検証を行えない場合は、明らかにリソース不足です。ある程度の社内リソースの確保が必要となる点を留意しておく必要があります。
代理店にLINE広告運用代行を依頼する
専門の広告代理店に運用を依頼すれば、自社で行う作業はほとんどなくなるケースが大半です。
広告の設定、運用、効果検証、改善施策の策定まで一連の作業を全て代行してもらえます。
コストを抑えたい場合は、そのうちの一部を自社で担当することも可能です。代理店によって対応が異なるので、自社に合った代理店を選ぶことも大切です。
②社員の時間を割く必要がなくなる
③複数媒体の運用も依頼できる
☑️ 効率よく広告の効果をあげられる
LINE広告の成果をあげるには、こまめに効果検証を行い素早くPDCAを回して改善していくことが重要です。専門の代理店であれば、豊富な運用実績を通じて短時間で的確な改善施策を行えます。
重要なクリエイティブの反応なども、ABテストなどを通じて最適化します。短時間で効果をあげたい場合は、代理店への依頼が最短ルートだといえます。
☑️ 社員の時間を割く必要がなくなる
LINE広告以外に複数の広告媒体を運用している場合、別々に運用するのは時間がかかります。大抵の代理店はLINE広告以外の媒体も運用代行しているので、同時に依頼することが可能です。
複数媒体での横断分析なども依頼できるので、広告全体での成果を把握することができるようになります。代理店によっては総合的なマーケティングの相談まで可能です。
②運用コストが高くなる
③自社にノウハウが蓄積できない
☑️ 社内の人材が育たない
代理店に依頼すると、社内担当者はほとんど運用の実務に携わらないため、社員の経験値は貯まりません。将来的に自社運用を考えている場合は、人材が育たないためデメリットになります。
代理店の中には、一部のみを代行するプランがあるので、少しでも社員に経験を積ませたい場合は、柔軟な対応を行う代理店を選びましょう。
☑️ 運用コストが高くなる
代理店に依頼すると必ず手数料がかかります。依頼金額は代理店によって異なりますが、さらに別途費用がかかるケースもあります。自社運用に比べてコストが高くなるのは避けられません。
ただし、プロの運用によって効果も早く得られるので、費用対効果を考えて予算に合った手数料の代理店を選ぶことをお勧めします。
☑️ 自社にノウハウが蓄積できない
自社に特化した広告運用のノウハウが蓄積できない点もデメリットです。経験やスキルは個々の担当者が取得するものですが、蓄積したノウハウは会社の財産として残すことができます。
ノウハウは担当者が変わっても次に伝えることができないため、広告運用の貴重な資料になります。ノウハウを提供してくれる代理店もありますが、自社ならではのノウハウは自ら運用していかなければ得られません。
LINE広告の自社運用で効果を最大化する9つのポイント
LINE広告を自社で運用する上で効果を最大化するためのポイントを9つ紹介します。自社運用を行なっている、または検討しているならぜひ参考にしてください。
1.目的を明確に決定して適切なキャンペーンを選ぶ
まず、LINE広告を配信する前に「LINE広告で何を行いたいのか」を明確にしておきましょう。これは担当者個人で決定するのではなく、指揮命令者を含めてチーム全体で話し合って決定します。
目的が明確になったら。それに最も合ったキャンペーンを選択することが重要です。ここで目的と違ったキャンペーンを選んでしまうと思った効果が得られなくなるため、注意してください。
LINE広告で設定できるキャンペーンの目的は以下のとおりです。
○ウェブサイトへのアクセス
○ウェブサイトコンバージョン
○アプリのインストール
○アプリのエンゲージメント
○動画の再生
○友だち追加
○商品フィードから販売
2.ターゲットは広めに設定する
LINE広告は豊富なターゲット設定が可能なため、ターゲットをつい限定してしまいがちです。慣れないうちは、ターゲットは絞りすぎずに比較的広い範囲に設定することがポイントです。
あまり絞りすぎるとリーチが狭くなってしまうため、狙ったボリュームに配信できなくなる可能性があります。配信に慣れてきたらターゲットを少しずつ限定していきましょう。
3.自動入札を利用する
LINE広告のユーザー動向は流動的で常に変化しています。常にモニタリングをしながら手動入力するのは、特に自社運用では現実的ではありません。そのため、入札は自動入札を利用するのがおすすめです。
自動入札は、広告が表示されるとその都度入札額が最適化されるメリットがあります。担当者が入札額を調節する手間を省けるので、業務の負担を大きく減らすことが可能です。
4.類似配信を活用する
コンバージョンをある程度獲得できるようになったら、類似配信機能を活用することをおすすめします。コンバージョンしたユーザーと似ているターゲットに広告を配信できるので、効率よく潜在顧客の発掘に役立ちます。
他にも自社がもっている個人データ(メールアドレス・電話番号など)も使用可能なので、有効活用してターゲットの精度をアップさせていきましょう。
5.広告グループの細分化に気をつける
ポイント2でターゲットは広めに設定すると解説しましたが、広告グループは細かくしすぎないことがポイントです。細かいターゲティングごとに広告グループを分けてしまうと、コンバージョンを細分化してしまいます。
自社運用を開始したばかりのうちは、広告グループを細かくせず検証結果で概要を掴んでいくように意識してください。
6.クリエイティブの配信面をしっかり把握する
LINE広告で扱えるクリエイティブのサイズとフォーマットは、しっかり把握しておくことが大切です。LINE広告は、掲載面ごとに掲載できる広告のフォーマットとサイズが異なります。また、すべての掲載面に静止画と動画の両方を配信できるわけではありません。
掲載面ごとに設定できるフォーマットとサイズが決まっているので、出したい掲載面に合ったサイズのクリエイティブを用意すれば、ある程度決まった配信面に掲載できるようになります。
7.複数のクリエイティブのフォーマットを試す
LINE広告で対応しているのは、静止画と動画の2種類です。どちらもメリットとデメリットがあるので、両方を理解したうえで配信を行うと結果につながりやすくなります。いずれも数種類作成して複数配信し、反応の違いを効果検証しましょう。
静止画の特徴は、「作成費用は抑えられるが伝えられる情報は少ない」動画の特徴は、「制作費用はかかるが情報量が多く、ユーザーの目を引きやすい」ところです。配信する広告の内容に合ったクリエイティブを選択してください。
8.クリエイティブのA/Bテストを欠かさない
LINE広告の成果は、クリエイティブのでき次第といっても過言ではありません。費用対効果を見る効果検証も大切ですが、クリエイティブのA/Bテストも欠かさず行うことが重要です。
また、反応がよいクリエイティブができても徐々に反応は鈍ります。クリエイティブは常にA/Bを実施してトライアンドエラーを繰り返しながら、更新・改善を続けていくことが成功の秘訣です。
9.LINE広告ネットワークを有効活用する
上記の図でわかるように、LINE広告ネットワークを利用すれば、さらに幅広いユーザーへの訴求が可能になります。最大限の効果を期待する場合、自社の都合でLINE本体やファミリーアプリのみに限定する理由がない限り、LINE広告ネットワークの利用をおすすめします。
また、配信を希望しないアプリの除外も可能なので、ターゲットに合ったアプリを選択して配信することも可能です。
LINE広告の運用効果を上手に検証、分析する3つのポイント
LINE広告を上手に検証していくために、覚えておきたいポイントを3つ紹介します。LINE広告は、常に短いスパンで検証と分析を繰り返していきましょう。
検証、分析するポイント
①コンバージョン関連の数字に注目する
②クリック数とクリック率を重視する
③他の分析ツールと連携させて分析する
1.コンバージョン関連の数字に注目する
コンバージョンは目的に直結する注目すべき数値です。コンバージョン数・コンバージョン率・コンバージョン単価はセットでチェックするクセをつけておきましょう。中でもコンバージョン率の動きには敏感に対応できることが望ましいです。
コンバージョン率が下がるとコンバージョン単価が値上がりするため、費用対効果に影響を及ぼします。そもそもコンバージョン自体が取れていない場合は、コンバージョンに至らない問題があるはずなので、まずは原因の洗い出しを先に行いましょう。
2.クリック数とクリック率を重視
ユーザーの反応見る指標として重要なのが、クリック数とクリック率です。ユーザーが広告に興味を持てば広告をクリックします。広告を見た人が何%クリックしたかを表すクリック率は、反応のバロメータを把握できる数値なので、必ずチェックしてください。
3.他の分析ツールと連携させて分析する
LINE広告のレポート類は、LINE広告管理画面からダウンロード可能です。それに加えて他の分析ツールと連携すれば、さらに幅広い効果検証ができ、多くの気付きを得られます。分析ツールを利用している場合は積極的に活用しましょう。